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名前:sacha ♀
Asia東の果てJapan islandの古い都に住む東洋人です。 ちょこっと身体に不備があるけれど、そこらに居るような何気ない人間です。 その他のジャンル
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窓の外に流れる雲の隙間を眺めていると、忘れた頃に訪れた短い梅雨も終盤のような気がします。
そんな季節感が希薄なままに月日だけが淡々と重なり続けていく狭間で、一年を過ごす感覚までもが希薄になっていくのではないかと要らぬ心配をしたり...。 梅雨は空梅雨という名でやり過ごすことはできようけど、空春や空桜ともなるなら世を挙げての一大事に違いありません。 四季折々の色彩を肌や味覚で感じながら営みを続けてきた遠い記憶がまだ生きていることを祈るばかりです。 そういえば… 昔に読んだ本の中に、ある作家さんが欧州の学校で日本文学を教えた際の苦労話が載っていました。日本風土の中で育まれた俳句などには時間や季節が移ろい逝く瞬間を捉えて心の情緒や世の風情を表現したものがたくさんあります。たとえば、屋根に積もる積雪の中から僅かに聴こえくる小さな雪解け水の流れる音に遠い春の訪れを感じたり…、といったものです。 日本の伝統的な文学の中に見出されるこういった繊細な感覚を教えようとした時に、欧州ではこの情感に対応した言葉が無いだけでなく、季節の隙き間に垣間見える情感そのものすら理解されずに非常に困ったというような話でした。 私としましても「へ〜。感覚ってそんなにも違うものなの!?」って感じでした。 だからといって日本人の感覚が優れているなどとは言いませんが、ともかく日本風土の中で育まれた繊細で豊かな感覚は大事にしたいものだと、ただただそう思いました。 さてさて 梅雨はジメジメと不快な季節ではありますが、それでも梅雨がなかなか訪れないでいるさなかに降り始めた雨にホッとした人も多いのではないでしょうか。 私達の営みというものは無意識のうちに季節の訪れと共に歩んでるのですよね。 これからの季節、一年中世界のどこでも同じ味で食べられるファーストフードよりも、やはり夏にしか味わえない美味しい夏野菜を食べたいと思う今日この頃です。 #
by art-of-noise
| 2005-07-07 23:09
| ・或る日の
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